60歳台、女性です。歯周病で歯茎がだめになったのでブリッジにしましたが、いよいよそれももたなくなってインプラントを薦められました。結構大掛かりは手術で抜歯、歯茎に骨を移植、インプラント施工と左上下奥歯で2年くらいかかるといわれました。義歯とインプラントと比べると快適さとかその後のメンテナンスとかはどうなんでしょうか?経験者のアドバイスをお待ちしております。

快適さとメンテナンスの違いをお答えする前に、一般的な利点・欠点をお答えします。

【欠損補綴の選択肢とその典型的利点・欠点】

1、 インプラント
(利点)

  • とりはずさない(ネジ止めなら、歯科医師はとり外せる⇒修理しやすく、トラブルに対応)
  • 残存歯を削らない・負担をかけない
  • 残存骨の保護
  • かみきりがよい
  • 動かない
  • かみあわせが長く保たれ(=無理な力による破壊が起きにくい)、メンテナンスしやすい。
  • 自然感
  • 顔の変形を防ぐ

(欠点)

  • 外科処置が必要
  • ○費用

2、 とりはずしの義歯

(利点)

  • 外科処置なし
  • 安い
  • 取り外せば清掃しやすい。但し、つけっぱなしだと細菌の巣窟となる。

(欠点)

  • 異物感・装着感悪い
  • 取り外して清掃する必要あり
  • 動く
  • 残存歯をわずかに削り、負担をかける
  • かみきりが悪い
  • 見た目にバネが見えたりし、審美的によくない
  • 顎底の吸収(年に平均0.3~0.5ミリ)とともに、常に常に義歯の裏打ちを足す事になり
    時間の経過とともに、義歯のプラスチックが厚くなる
  • 人工歯がすりへりやすく、かみあわせによる破壊が起き易い

術後の快適さでは、義歯とインプラントでは比較にならないでしょう。取り外ししないインプラントのほうが快適です。
歯の残り方によってはいくら費用をかけ、義歯を作っても安定が悪かったり、かめない食べ物が出てきますが、インプラントでは、かめないものはほとんどありません。逆にかめすぎることによるトラブルがあるくらいです。
次にメンテナンスですが、これはインプラントのほうがそれ自身が異物である分、より厳密なメンテナンスが必要でしょう。

特に、インプラントになった原因が慢性歯周炎で抜歯された場合(グループB)とそれ以外の理由(むし歯、破折など)の場合(グループA)では、インプラント周囲炎の発症率が、10年間の累積で28.6%に対して5.8%との報告があります。

インプラント周囲炎の発症率

(Postgraduated program in clinical periodontology
コレクテッドエビデンス vol、2  弘岡秀明・中村圭祐著
2007年7月1日 発行 デンタルダイアモンド社  より引用)

したがって、ご質問のあなたの抜歯理由が歯周病ということですので、インプラント治療前に、歯周病の治療がきちんとされる必要がありますし、治療後も、定期的なチェックとクリーニングは必須です。

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