インプラント治療中に転院する場合はどうなりますか?
インプラント治療中に転院する場合の注意点とリスク
インプラント治療の途中で転院を考えていませんか?治療期間が長いインプラント治療では、様々な事情で転院が必要になる場合があります。しかし、転院には多くのリスクが伴うことをご存知でしょうか?
転院が困難な理由
インプラントメーカーの違い
インプラント治療で最も大きな問題となるのが、使用しているインプラントメーカーの違いです。世界には100社以上のインプラントメーカーが存在します。各メーカーでネジの規格やドライバーの形状が異なるため、他院で埋入されたインプラントの治療継続は技術的に困難な場合が多いのです。
転院先の歯科医院が同じメーカーのインプラントを使用していなければ、治療の継続はできません。最悪の場合、すでに埋入したインプラントを撤去して、新たに埋入し直すことになります。
治療計画の引き継ぎ問題
インプラント治療は綿密な治療計画に基づいて行われます。CT画像による3D診断、骨の状態、咬み合わせの分析など、すべてのデータが治療継続には必要です。
これらの詳細なデータを完全に引き継ぐことは現実的に困難です。転院先では一から診査・診断をやり直すことになり、追加の費用と時間がかかります。
転院時に発生する具体的な問題
保証制度の問題
多くの歯科医院では独自の保証制度を設けています。しかし、この保証は通常、治療を行った医院でのみ有効です。転院した場合、これまでの保証は無効となり、何らかのトラブルが発生しても保証を受けることができません。
メンテナンス体制の違い
インプラントを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。各医院でメンテナンス方法や使用する器具が異なるため、転院によってメンテナンス体制が変わることになります。
転院を避けるための対策
治療開始前の十分な検討
インプラント治療を始める前に、その歯科医院で最後まで治療を受けられるかどうかを十分に検討してください。医院の立地、治療期間、費用などを総合的に判断することが重要です。
医院選びのポイント
信頼できる歯科医院を選ぶことが最も重要です。日本口腔インプラント学会の専門医の資格を持つ歯科医師であるかどうかを確認してください。また、使用しているインプラントメーカーの信頼性についても事前に調べることをお勧めします。
当院では、世界シェア上位3位以内のストローマンインプラントを使用しています。このメーカーは研究開発、教育、サポート体制が充実しており、12年後の生存率94.8%、成功率90.8%という優れた実績があります。
どうしても転院が必要な場合
詳細な資料の準備
転院が避けられない場合は、治療を行った医院から詳細な資料をもらってください。CT画像、治療記録、使用したインプラントの詳細情報、治療計画書などすべての資料が必要です。
転院先との事前相談
転院先の歯科医院に事前に相談し、治療継続が可能かどうかを確認してください。同じメーカーのインプラントを使用しているか、治療継続に必要な設備があるかなどを確認することが重要です。
まとめ
インプラント治療中の転院は多くのリスクを伴います。治療の継続が困難になったり、保証が受けられなくなったりする可能性があります。
治療を開始する前に、信頼できる歯科医院を慎重に選び、最後まで治療を受けられる環境を整えることが最も重要です。あなたの大切な健康を守るために、十分な検討をしてから治療を開始することをお勧めします。