インプラント手術で神経を傷つけるリスクはありますか?

インプラント手術には、神経を傷つけるリスクが確実に存在します。あなたは、このリスクについて十分にご存知でしょうか?

下歯槽神経麻痺という合併症

特に下顎のインプラント手術では、下歯槽神経という重要な神経を傷つける可能性があります。この神経が損傷されると、唇や舌、顎、頬の痺れが起こることがあります。

最も深刻なのは、この痺れの継続期間が確定できないことです。一時的な場合もありますが、戻らない場合もあります。あなたは、このような後遺症のリスクを受け入れることができるでしょうか?

安全域の確保が重要

こうした下歯槽神経麻痺を防ぐために、下顎ではインプラント先端を神経から2mm以上離すことが必要とされています。これを「安全域」と呼びます。

経験豊富な歯科医師は、手術前にCTやシミュレーションソフトによる3D診断を行い、神経の位置を正確に把握します。そして、十分な安全域を確保した治療計画を立てるのです。

万が一の場合の対応

それでも万が一、麻痺が起こった場合はどうなるのでしょうか?まず投薬による治療を行います。経過が思わしくない場合は、専門医をご紹介することになります。

しかし、このような合併症を避けるためには、事前の診査・診断が何より重要です。あなたの担当医は、神経の位置を正確に把握して手術計画を立てているでしょうか?

歯科医院選びが重要

神経損傷のリスクを最小限に抑えるためには、適切な歯科医院選びが欠かせません。以下の点を確認することをお勧めします。

歯科医師の経験と資格はどうでしょうか?日本口腔インプラント学会の専門医・指導医などの資格を持っているでしょうか?診療設備は十分でしょうか?CT撮影やシミュレーションソフトによる術前診断が可能でしょうか?

リスクを理解した上での治療選択

インプラント治療は確かに優れた治療法ですが、外科手術である以上、神経損傷というリスクは避けられません。しかし、適切な診査・診断と熟練した技術により、このリスクを最小限に抑えることは可能です。

あなたは、これらのリスクを十分に理解した上で、インプラント治療を受けたいとお考えでしょうか?大切なあなたの身体を預けるわけですから、慎重に歯科医院選びをしていただきたいと思います。

リスクについて不安がある場合は、遠慮なく担当医にご相談ください。十分な説明を受けた上で、納得のいく治療選択をしていただければと思います。

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