他院で失敗したインプラントの再治療は可能ですか?
他院でのインプラント失敗、諦める必要はありません
「他の歯科医院でインプラント治療を受けたけれど、うまくいかなかった」という相談を受けることがあります。そのような場合、患者さんは「もうインプラントは無理なのでしょうか?」と不安になられることが多いものです。
結論から申し上げると、多くの場合、再治療は可能です。ただし、失敗の原因を正確に診断し、適切な治療計画を立てることが重要となります。
なぜインプラント治療は失敗するのでしょうか?
インプラント治療の失敗には、いくつかの原因があります。
初期の失敗(オッセオインテグレーション不全) インプラントが骨と結合しない場合です。上顎では100本に4~5本、下顎では100本に3~4本の割合で起こることがあります。これは手術時の感染や、患者さんの治癒能力、喫煙などが影響します。
長期的な失敗(インプラント周囲炎) インプラント周囲の組織が炎症を起こし、最終的にインプラントを支える骨が失われる状態です。これは天然歯の歯周病と同様の病気で、プラークコントロールが不十分な場合に起こります。
あなたのインプラントが失敗した原因は何だったのでしょうか?
再治療を成功させるために必要なこと
- 詳細な診査・診断
まず、失敗の原因を正確に把握する必要があります。CT撮影による3D診断を行い、骨の状態、インプラントの位置、周囲組織の状態を詳しく調べます。
- 適切な除去手術
失敗したインプラントを除去する際は、周囲の骨や組織にできるだけダメージを与えないような慎重な手術が必要です。当院では、静脈内鎮静法やマイナートランキライザー・笑気ガスを併用し、患者さんの不安や痛みを最小限に抑えて手術を行います。
- 骨造成などの前処置
インプラント周囲炎などで骨が失われている場合は、骨造成手術が必要になることがあります。「骨がなくてインプラントは無理」と他院で言われた場合でも、適切な骨造成技術があれば治療可能なケースが多いものです。
- 適切な治癒期間
除去後すぐに新しいインプラントを埋入できる場合もありますが、多くの場合は組織の治癒を待つ必要があります。この期間は患者さんには負担ですが、長期的な成功のためには重要な過程です。
再治療時に使用するインプラントシステム
当院では、世界トップ3のシェアを持つストローマンインプラントを使用しています。このインプラントの12年後の生存率は94.8%、成功率は90.8%と報告されており、ブリッジの平均使用年数8年と比べても大変長持ちします。
なぜストローマンインプラントを選ぶのでしょうか?それは、研究・開発・教育・サポート・トラブル対応が手厚く、将来的にメンテナンスが必要になった際も安心だからです。
他院での失敗を繰り返さないために
専門医による治療
インプラント治療は、十分な知識と経験を持つ専門医が行うべき治療です。当院院長は日本口腔インプラント学会認定口腔インプラント専門医として、豊富な経験を持っています。
術後管理の徹底
インプラントは「清潔なとげ」として口腔内に存在しています。これが不潔になれば「不潔なとげ」となり、排除されてしまいます。定期的なメンテナンスは、インプラントを長持ちさせるために欠かせません。
適切な診療設備
CT撮影による3D診断、手術用ナビゲーションシステム、リアルタイム生体モニターなど、安全で正確な治療のための設備が整っていることも重要です。
費用について
再治療の費用は、失敗の程度や必要な処置によって異なります。骨造成が必要な場合、除去手術が複雑な場合などは、初回治療よりも費用がかかることがあります。
ただし、「安く」治療を受けて再度失敗するよりも、確実な治療を受けて長期間使用できる方が、結果的には経済的です。使用できた期間で当初の治療費を割っていくことで、実質的な費用は割安になっていくからです。
まとめ
他院でのインプラント失敗は、決して珍しいことではありません。重要なのは、失敗の原因を正確に診断し、適切な再治療を行うことです。
あなたも他院でのインプラント失敗でお悩みではありませんか?一度ご相談いただければ、詳しい診査を行い、最適な治療計画をご提案いたします。インプラント治療を諦める前に、まずは専門医にご相談ください。
重度の糖尿病や癌による放射線治療後の顎の骨などの禁忌症を除けば、大抵の場合、再治療は可能なものです。当院では、自分の実力では対応が困難な場合でも、大学病院やより専門性の高い診療所と連携し、治療を行う体制を整えています。
一人で悩まず、まずは一度ご相談ください。