手術後の腫れを最小限に抑える方法はありますか?

インプラント手術後の腫れを最小限に抑える方法

インプラント手術を受けられる患者さんから、「手術後の腫れが心配です」というご相談をよく受けます。確かに腫れは気になりますね。

しかし、適切な対処法を知っていれば、腫れを最小限に抑えることができます。

なぜ腫れが起こるのでしょうか?

インプラント手術は外科処置です。歯肉を切開し、骨に穴をあけてインプラントを埋入します。この処置により、組織が反応して腫れが生じるのです。

これは体の正常な治癒反応なのです。

腫れを最小限に抑える手術法:フラップレス手術

当院では、条件の合う患者さんにはフラップレス手術をご提案しています。

フラップレス手術とは、歯肉を切って開かずにインプラントを埋める手術法です。切開や縫合を行わないため、手術時間も短く、術後の腫れや痛みが通常より大幅に軽減されます。

ただし、すべての患者さんに適用できるわけではありません。骨の幅や高さが十分にあり、付着歯肉も十分な方にのみ適用可能です。

精密な手術ガイドによる低侵襲手術

フラップレス手術を安全に行うため、当院では3次元CT診断とシミュレーションソフトを使用します。

このデータを基に、院内で精密な手術ガイドを作成しています。以前は外注で10万円近くかかっていましたが、現在は院内作成により費用も抑えられています。

手術ガイドにより、正確な位置と角度でインプラントを埋入できます。これにより手術時間が短縮され、組織への負担も最小限に抑えられるのです。

手術後の腫れ対策

1. 冷却による対処

手術後24時間は患部をよく冷やしてください。ただし、冷やしすぎると血腫ができる可能性があります。

氷水は使わず、冷水程度で冷やしてください。冷えピタでも効果的です。

2. 薬物療法

当院では、術後の腫れを抑えるための薬剤を処方しています。指示通りに服用していただくことで、腫れを最小限に抑えることができます。

3. 安静にする

手術当日は安静にし、運動などは避けてください。入浴はシャワー程度にし、長湯は避けましょう。

血流が良くなりすぎると、腫れが強くなる可能性があります。

腫れの経過について

通常、腫れは手術翌日から3日程度がピークです。特に上顎の場合は、表情をつくる筋肉と関係のある部位のため、やや目立つことがあります。

しかし、4日程度で消失します。通常は1~2週間で完全に消失しますので、心配しすぎず安静にしてください。

鎮静法による快適な手術

あなたは手術中の不安や緊張も気になりませんか?

当院では、ほとんどの患者さんに笑気ガスと静脈内鎮静法または薬剤による鎮静法を併用しています。

これにより、手術中の記憶をほとんど覚えていない状態で治療を受けられます。手術中の不安もなく、快適に治療を受けられるのです。

まとめ

インプラント手術後の腫れは、適切な対処により最小限に抑えることができます。

フラップレス手術が適応できる場合は、従来の手術法と比較して腫れを大幅に軽減できます。手術後の適切な冷却と薬物療法、そして安静にすることが重要です。

あなたの骨の状態や付着歯肉の量によって、最適な手術法は異なります。まずは詳しい検査を受けて、あなたに最適な治療法を検討してみませんか?

腫れに対する不安がある方は、遠慮なくご相談ください。一人ひとりの状況に応じた最適な治療計画をご提案いたします。

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