インプラント治療にはどんなリスクがありますか?
インプラント治療のリスクについて、分かりやすくご説明いたします。
手術に伴う一般的なリスクがあります。
痛みや腫れが生じることがあります。通常は1~2週間程度で消失します。しかし、予想以上に痛みが強い場合は、すぐに歯科医院に連絡しましょう。
感染のリスクもあります。これを防ぐため、手術後は指示された通りの薬の服用と口腔ケアが重要です。
より重要な合併症として、神経への影響があります。
下あごの手術では、神経を傷つけるリスクがあります。これにより、唇や舌、あごに痺れが生じる可能性があります。この痺れは一時的なことが多いですが、まれに永続的になることもあります。
上あごの手術では、副鼻腔に関連した合併症が起こる可能性があります。手術後に軽い鼻血が出ることもありますが、これは通常心配ありません。
長期的なリスクとして最も注意が必要なのは、インプラント周囲炎です。
これは、インプラント周囲の骨が溶けていく病気です。特に以下の方は発症リスクが高くなります:
– 歯周病の既往がある方(10年後の発症率28.6%)
– 定期的なメンテナンスを受けていない方
– 喫煙習慣のある方
また、インプラントが骨と結合しないリスクもあります:
– 上あごで4~5%
– 下あごで3~4%
このような場合、ほとんどのケースで再手術が可能です。
インプラント治療を成功させるためには、以下が重要です:
– 術前の詳しい検査と診断
– 歯周病がある場合は、まず歯周病の治療を行うこと
– 手術後の適切なケアとメンテナンス
– 禁煙(手術前2週間、手術後8週間は必須)
リスクは決して低くありませんが、適切な診断と治療、そして術後のケアにより、多くの場合、長期的に安定したインプラント治療が可能です。
気になる症状や不安がありましたら、遠慮なく担当医にご相談ください。また、インプラント治療を検討されている方は、認定医のいる信頼できる歯科医院での治療をお勧めします。




