インプラントは虫歯になりますか?

インプラントは虫歯になりません。インプラントはチタン製の人工歯根とその上につける人工の歯からなります。人工物であるため虫歯菌による侵食を受けることはありません。

しかし、インプラント周囲炎という別の病気にかかる可能性があります。インプラント周囲炎とは、インプラント周囲の歯肉や骨が炎症を起こす病気です。これは歯周病に似た状態です。

インプラント周囲炎について

インプラント周囲炎は、プラーク(歯垢)の蓄積が主な原因となります。プラークが長期間放置されると、インプラントを支える骨が溶けてしまうことがあります。骨が溶けると、インプラントがぐらつき、最終的には抜け落ちてしまう可能性もあります。

インプラント周囲炎の発生は、いままでの抜歯の原因が何であったかによって大きく影響を受けます。慢性歯周病が原因で抜歯した方は、そうでない方(虫歯・破折・根尖病変など)に比べて発症リスクが高いことが分かっています。研究では、10年後のインプラント周囲炎の累積発生率は、歯周病の患者さんで28.6%、それ以外の理由で抜歯した患者さんで5.8%と報告されています。

インプラントを長持ちさせるために

インプラントを長持ちさせるためには、以下の点に注意することが大切です。

  1. 毎日の丁寧な歯磨き
  2. 定期的な歯科検診・クリーニング
  3. 禁煙
  4. 過度の飲酒を避ける
  5. 糖尿病など全身疾患のコントロール

当院で使用しているストローマン社製インプラントの12年後の生存率は94.8%、成功率は90.8%と報告されています。これは通常のブリッジの平均使用年数(8年)と比べても長持ちします。しかし、インプラントは「清潔なとげ」として口腔内に存在しており、不潔になれば「不潔なとげ」として膿み、排除されてしまいます。

まとめ

インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎という病気にかかる可能性があります。日常のケアと定期的な歯科検診が、インプラントを長持ちさせる鍵となります。

あなたはインプラント治療をお考えですか?定期的なメンテナンスに通える環境にありますか?インプラントは適切なケアがあれば、長期間快適に使用できる素晴らしい治療法です。ご不明な点があれば、遠慮なくご相談ください。

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