インプラント治療の成功率を理解する
インプラント治療の成功率について気になられているのではないでしょうか。当院で使用しているストローマン社製インプラントの成功率についてご説明します。
ストローマン社製インプラントの信頼性
当院では、スイスのストローマン社製インプラントを使用しています。ストローマン社はチタン製インプラントの会社としては、ノーベルにつぎ世界で2番目に古いメーカーです。そして、常に世界シェアのトップ2に入っているメーカーです。研究、開発、教育、サポート、トラブル対応にも手厚い企業です。
具体的な成功率のデータ
当院で使用しているストローマンインプラントの生存率・成功率は、学術論文によるエビデンスがあります。例えば、臨床研究「Dental implants placement in conjunction with osteotome sinus floor elevation: a 12-year life-table analysis from a prospective study on 588 ITI implants」(Clin Oral Implants Res. 2006Aug;17(4):479)によれば、12年後の時点で生存率94.8%、成功率90.8%と報告されています。
これは、例えばブリッジの平均使用年数が8年(口腔衛生学会雑誌, 45: 788~793, 1995)との報告と比べても大変長持ちします。
インプラント成功の条件
インプラントは異物であり、それはいわば「清潔なとげ」として口腔内に存在しています。これが不潔になれば、当然「不潔なとげ」は膿んでしまい排除されます(インプラント周囲炎)。
従って、インプラントを長持ちさせるためには術後管理が必要です。ご家庭での歯ブラシの励行、及び定期健診には必ずお越しください。
インプラント周囲炎のリスク
インプラント周囲炎の発生は、いままでの抜歯の原因が慢性歯周炎だったか、それ以外(むし歯・破折・根尖病変など)の理由かにより大きく影響を受けます。
学術論文「Long-term implant prognosis in patients with and without a History of chronic periodontitis: a 10-year prospective cohort study of the ITI Dental System」(Karoussis lk et al. Clin Oral Impl Res, 2003;14:329-39)によれば、10年後のインプラント周囲炎の累積発生率は、歯周病既往患者で28.6%、非歯周病患者で5.8%となっています。
従って、歯周病の患者さんではまず歯周病を治療してからインプラント治療となりますし、術後管理もより厳密なプラークコントロールが必要です。
まとめ
インプラント治療は、正しい知識と技術で行われれば、非常に高い成功率が期待できます。しかし、その維持には患者様ご自身の日々のケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。あなたにとって最適な治療選択ができるよう、ぜひご相談ください。